重村三雄 カタメタージュ・アート展 2008.10.2thu-2008.11.30sun

 今年、本土復帰55周年を迎える鹿児島県奄美で育った重村三雄は、画家になりたい一心から、昭和25(1950)年、戦後の米軍統治下の厳しい奄美から密航して芸術を学ぶという波瀾に満ちた人生を送ります。それは、羽化して命の限り鳴き続ける蝉のように、激しく力強いものでした。しばしば作品のモチーフに用いられる蝉の抜け殻は、情熱の痕跡の象徴ともいえるものです。
 その後重村は、一時全国の団体展にも所属しながら作品制作に没頭し、神戸市美術展で一席になったのを機に、昭和32(1957)年に上京、現代日本美術展、国際青年美術展などに出品し、次第に平面から立体へと表現方法を移していきます。
 重村の作風は、精巧に型取りしたものと、従来の塑造との組み合わせ、FRP(繊維強化プラスチック)に金属色の塗装という素材感の喪失により、美術評論家・瀬木慎一氏によって「すべてを固める表現:『カタメタージュ』」と名付けられ、独自の技法として昇華していきます。身の回りにあるすべてのもの(人間、動植物、器物など)を型取りし、メッセージ性やストーリー性を持ったユーモアあふれる表現は、現実感を喪失させながらも存在感を持つ作品として国内外から高い評価を得ました。
 重村によって「固め」られた作品は、「永遠の時」を与えられつつも、現代の人間社会を風刺し、「存在」とは何かを問いかけてきます。
 本展は、「命あるもの」と「存在するもの」との関係をテーマとする重村三雄の集大成として、既存の作品と自然に囲まれた霧島アートの森からイメージされた新作まで、燻し銀を堪能できる九州初の展覧会です。

重村三雄 略歴


1929鹿児島県奄美・沖永良部島に生まれる。
1962第5回シエル美術賞展佳作賞受賞
1967第10回シエル美術賞展佳作賞受賞
1969第2回現代彫刻展
1973第1回彫刻の森美術館大賞展
1976第11回ジャパンアートフェスティバル大賞受賞、渡米
1977第3回彫刻の森美術館大賞展
1978第12回日本国際美術展、第10回国際彫刻会議参加(カナダ)
1979日本縦断企画展, 紺綬褒章受賞
1980第13回日本国際美術展、銀座和光ショーウインドー企画彫刻展2
1982全日本ウインドー・ディスプレーデザイン優秀賞受賞、第12回国際彫刻会議参加(アメリカ)
1983第10回現代日本彫刻展招待出品(毎日新聞社賞受賞)
1986私設美術館「ムセオ・チキート」建立、以降授賞多数、他個展やグループ展多数開催
2001自著「燻し銀の世界」発行
2007「アーティスト・プロジェクト 重村三雄:カタメタージュの世界」埼玉県立美術館

霧島アートの森、箱根彫刻の森美術館、栃木県立美術館、埼玉県立美術館などに作品所蔵
高滝ダム彫刻公園や新奄美空港など全国各地にモニュメント作品設置
会  場 霧島アートの森(交通アクセス
会  期 2008年10月2日(木)〜11月30日(日)
月曜日休園(祝日の場合は、翌日休園)
観 覧 料 一 般 800(600)円
高大生 600(400)円
小中生 400(300)円
( )内は、前売り又は20人以上の団体料金
関連事業 作家による鑑賞ツアー
10/2(木)・11/30(日)14:30〜(予定)
ワークショップ
10/26(日)13:30〜15:30(予定)
・参加料/500円
・定員/30名(先着順)
ギャラリートーク(学芸員)
10/5・12・19、11/2・9・16・23(日)
背景の作品について
「疑似」九十九里浜インスタレーション(1977) 彫刻の森美術館・栃木県立美術館・個人蔵
お申し込み・お問い合わせ先:霧島アートの森