特別企画展 植松奎二展「ナンセンスな旅への招待ーみることの夢」

特別企画展 植松奎二展「ナンセンスな旅への招待ーみることの夢」

美術家 植松奎二は,鉄や石,ガラスなどを用いた彫刻のほか,映像や写真,インスタレーションなどの制作をとおして,自然や地球,宇宙といった世界の構造と私たちの存在,相互の関係性について表してきました。
そして,霧島や桜島を巡った植松は,火と土と水と空気が様々な姿へと形を変え,膨大なエネルギーの転換が繰り返される様を見て,フランスの哲学者ガストン・バシュラールの『想像力の源泉は物質である』という言葉を強く意識したといいます。
本展は,私たちの持つ常識を覆し,言葉と思考と視覚が一体となった小さな宇宙空間をつくり出すことによって,植松による知覚を超えた発見の場を表出するものとなります。知と未知との境から生み出される作品をとおして,世界との関わりの中に新しい意味を見つけ出そうとする植松の時空を超えた旅を体感してください。

* 会場内を360°VR 映像でご覧いただけます。視聴はこちら(ART360°のサイトにリンクします。)

【主催】鹿児島県文化振興財団/南日本新聞社/MBC南日本放送/KTS鹿児島テレビ

【協力】湧水町/霧島山麓湧水町観光協会/第一交通産業株式会社/株式会社奥山産業/Gallery Nomart/Yumiko Chiba Associates

【特別協賛】トヨタカローラ鹿児島株式会社

【前売券販売所】南日本新聞社,MBC南日本放送,KTS鹿児島テレビ,霧島山麓湧水町観光協会加盟店舗,霧島温泉市場,コープサービス,鹿児島大学生活協同組合,県職員生協,宮崎県立美術館,都城市立美術館,宝山ホール(鹿児島県文化センター),What,山形屋プレイガイド,大谷画材,集景堂,十字屋クロス,高木画荘,国分進行堂,チケットぴあ(Pコード: 686-098),ローソンチケット(Lコード: 84954),e+イープラス

【関連事業】
◯ 7/15(金)14:00〜:オープニングセレモニー

◯ 7/15(金)14:30〜:オープニングトーク「みることの夢への旅」越智裕二郎(西宮市大谷記念美術館館長)× 植松奎二

◯ 7/16(土)14:00〜:トークイベント「生まれ続ける彫刻」光田由里(美術評論家・多摩美術大学教授)× 大槻晃実(芦屋市立美術博物館学芸員)× 植松奎二

◯ 8/13(土)14:00〜:子どもも大人も楽しいワークショップ -「行為とかたちに触れる旅」

◯ 8/7(日)・21(日)・28(日)14:00〜:学芸員によるギャラリートーク

◯ 9/11(日)13:30〜:作家によるクロージングトーク

◯ 関連グッズ・書籍の販売[* 詳しくは本館カフェ・ショップ(電話:0995-74-5945)にお問い合わせください。]

【オープニングトーク登壇者紹介】
◯ 7月15日(金)

越智 裕二郎(おち ゆうじろう)西宮市大谷記念美術館館長


1949年神戸市生まれ。1978年早稲田大学で美術史修士課程修了。神戸市教育委員会の博物館創設準備室学芸員に。その後静岡県立美術館,兵庫県立美術館を経て広島県立美術館館長に。2015年4月より現職。1999年「東アジアの近代油画」展開催。2017年開港150年記念「港都KOBE芸術祭」に関わる。

【トークイベント登壇者紹介】
◯ 7月16日(土)

光田 由里(みつだ ゆり)美術評論家・多摩美術大学教授


20世紀美術史,写真史。美術館学芸員として勤務後,2021年より現職。最近の編著書に『美術批評集成1955-1964』(藝華書房),展覧会カタログ「ミニマル/コンセプチュアル ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術」(2021-22,DIC川村記念美術館ほか巡回)

大槻晃実(おおつき・あきみ)芦屋市立美術博物館学芸員


専門は近現代美術。近年の主な展覧会に「芦屋の時間 大コレクション展」(2020),「美術と音楽の9日間rooms」(2020),「植松奎二 みえないものへ、触れる方法-直観」(2021),「限らない世界/村上三郎展」(2021-22)など。

【展示概要・図版】
1 「地球と宇宙に触れる夢」(展示ロビー):天体の軌跡を描いたドローイング,浮力や重力をテーマにした作品・インスタレーション等を展示。

2 「見えない力―天と地の間に」(第1展示室):木材や水,桜島の溶岩などを使った大規模なインスタレーションを中心に,写真・映像作品等も紹介。

3 「みえないエネルギーに触れる夢」(第2展示室):「エネルギー」をキーワードに,真鍮板や真鍮パイプ,隕石,溶岩を使ったインスタレーション等を展示。

4 「みえない重力をみる夢」(第3展示室):自立しえない真鍮製の樹を自立させることで「重力」を体感させるインスタレーションを展示。

5 「思考の旅」(リラックススペース):今回の展示作品のドローイング(アイディアスケッチ)や写真資料,作家の制作風景を映した映像等の紹介。


《浮く石》(2017)


《見えない力-軸・経度・緯度》(2021)撮影:髙嶋清俊
*参考図版(2021年芦屋市立美術博物館での展示風景)


《浮く石-紀行》より(2021)

* 展覧会チラシはこちら

* 展覧会公式Instagramはこちら

企画展の情報

会場
鹿児島県霧島アートの森 アートホール
開催期間
2022/07/15 〜 2022/09/11
月曜日休園[祝日の場合は翌日休園,8/15(月)は開園]
観覧時間
9:00〜17:00(7/20〜8/31の土・日・祝日は19:00まで,入園は閉園の30分前まで)
観覧料
一般:800(600)円/高大生:600(400)円/小中生:400(300)円 *( )内は前売り又は20人以上の団体料金

アーティスト紹介

200

植松奎二(うえまつ・けいじ)
1947年兵庫県生まれ。美術家。
1975年渡独。ヴェネツィア・ビエンナーレ日本代表選出(1988)。第38回中原悌二郎賞(2013)・兵庫県文化賞(2021)受賞。
主な個展にストックホルム近代美術館(1976 スウェーデン),PS1(1981 ニューヨーク アメリカ),西宮市大谷記念美術館(1997・2006 兵庫),北九州市立美術館(2003 福岡)。
グループ展に「Performing for the Camera」(2016テートモダン ロンドン イギリス)ほか国内外で多数開催。
主なパブリックコレクションに兵庫県立美術館,西宮市大谷記念美術館,国立国際美術館,神奈川県立近代美術館,カルティエ現代美術財団,ブレーメン美術館,MoMA NY,鹿児島県霧島アートの森 ほか。
2021年には芦屋市立美術博物館(兵庫)にて個展「みえないものへ,触れる方法-直観」を開催し,展示空間を独自の世界に変容させた。
現在,大阪府箕面市とデュッセルドルフにスタジオを構え制作と発表を続けている。