1980年代の《祈り》のシリーズにつづいて、1990年代後半に同題のルオーの銅版画にも影響されて、集大成ともいえるミゼレーレの連作を発表。 本作品は、シリーズ後半の特徴である山羊をからませて神聖な魂を表し、美しい人間の命の尊さを吹き込み結実させている。
現代日本の具象彫刻の重鎮として活躍する中村晋也は、1960年代に二度のヨーロッパ留学でスペインの彫刻家アペル・フェノサに出会い師事する。 写実を基盤にしながら対象の外面だけでなく内面の表現を重視する現代写実の思想に立脚、深い人間愛と詩情溢れる作品を神髄としている。
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