モチーフであるひさしの張った帽子がとても効果的に使われている。肩を少し落として帽子との空間を配慮したり、前のめりの帽子に対して足の爪先を軽くたてたり、腕の角度や組み方にも工夫がある。女性の柔軟で締まった肉づけのうちに、清爽な叙情感のある作品の存在感とともに、作品をとりまく空間にも緊張感が感じられる。
宮城県生まれ。当初画家を目指すが、次第に彫刻への関心が高まり、東京美術学校彫刻科で学ぶ。熱きヒューマニズムに裏打ちされた深い人間愛と豊かな詩情を漂わせる洗練された造形美は、国内はもちろんのこと国外でも日本人として初めてパリ国立ロダン美術館で個展が開催されるなど高い評価を得てきた。
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