美術作家 平川渚は,地域に滞在しながら土地の記憶や人々の営みを手がかりに糸を空間に拡張させる作品を制作してきました。また近年は,人々から集めた古着や編み物を素材にそれらが持つ「個々の物語」に着目した作品も発表しています。
本展は,鹿児島県湧水町を舞台に2021年から展開している「『手編みの物語をあつめる』プロジェクト」の最終章として,湧水町民から集めた手編みの編み物とエピソードを媒介に,様々な人と関わりながら一人ひとりのかけがえのない物語に寄り添ってきた平川による,新作を含む作品を展観します。
自分ではない誰かの,日常から生まれたそれぞれの情景に思いを馳せることで,境遇の違いを越えた普遍的な物語を体感するものとなるでしょう。
【主催】鹿児島県霧島アートの森
【関連イベント】
◯ 「間借りオープンアトリエ」(公開制作)
2021年のプロジェクトでほどいた糸を使って平川が作品を制作する様子を公開します。
1回目:5月27日(金)〜6月1日(水)10:30〜16:00 * 5/30(月)休
2回目:6月28日(火)〜7月2日(土)10:30〜16:00
3回目:10月29日(土)〜11月6日(日)10:30〜16:00 * 10/31(月)・11/4(金)休
会場:湧水町くりの図書館 * 予約不要・見学無料,詳しくはこちら
◯ 12月25日(日)14:00〜15:00:クロストーク「彼方のあなたと会話するために」
登壇者:川浪千鶴(インディペンデント・キュレーター)✕ 平川渚
◯ 1月8日(日)14:00〜15:00:レクチャーパフォーマンス「未来からの返信」
パフォーマー:佐々木文美[セノグラファー/快快(FAIFAI)]
◯ 1月15日(日)14:00〜15:00:コンサート「Knitted Score」
演奏者:野村誠(作曲家/ピアニスト)
◯ 1月21日(土)・2月4日(土)各日14:00〜(30〜40分程度):くりの図書館職員による絵本の読み聞かせ
◯ 作家による公開制作:会期終了(2/12)まで随時開催
◯ 関連書籍・グッズ等の販売
【関連イベント ゲストプロフィール】
◯ 12月25日(日)
川浪 千鶴(かわなみ ちづる) インディペンデント・キュレーター
2018年まで福岡県立美術館学芸課長,高知県立美術館企画監兼学芸課長等を務める。専門は日本の近現代美術,美術館活動史,アートと社会の関係性について。大学で教える一方,九州の女性アーティストを支援する活動も行う。美術評論家連盟会員。福岡市在住。
◯ 1月8日(日)
佐々木 文美(ささき あやみ) 舞台美術家
撮影:玉田伸太郎
1983年生まれ,鹿児島県出身。多摩美術大学造形表現学部映像演劇科卒。快快(FAIFAI)メンバー。演劇,ダンス,コンサート,展示,MV等多種多様な企画に舞台美術,セノグラフィーとして参加。ホームパーティーをするのが好き。http://sasasakiayami.info
◯ 1月15日(日)
野村 誠(のむら まこと) 作曲家/ピアニスト
最近の活動に,《無人駅の音楽会》(びわ湖・アーティスツ・みんぐる2021),《Listening to Glenda Leon》(国際芸術祭あいち2022),問題行動トリオ《ビジュツセッシュ》(十和田市現代美術館)ほか。著書に『音楽の未来を作曲する』(晶文社)ほか。http://makotonomura.net/
【展示概要・参考図版】インスタレーション(空間造形),映像,写真など(展示作品:8点)
「地面を編む」(スタジオイマイチ/山口 2013)撮影:大脇理智
「ミナワ」(木崎湖畔/長野 2016)
《終わらない物語》(2017)都城市立美術館蔵
「いとなみ」(湧水町くりの図書館/鹿児島 2021)撮影:森山年雄
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* 『平川渚展』記録集:①pp. 1-29 ②pp. 30-41